私たち西側社会の人間は長い間、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のKGB後の「ごろつき政治」と、経済的に成功した中国の「攻撃的レーニン主義」が自由な民主主義を損ねていることについて、抵抗することはおろか、認識することにすら危険なほど鈍い反応を示してきた。
プーチンはリベラル資本主義の弱点を理解
私は、1999年から2004年まで欧州連合(EU)の外務委員を務めていたとき、ロシアの問題を間近で見た。シルヴィオ・ベルルスコーニ率いるイタリアを筆頭に、多くの欧州諸国がプーチンとビジネスができ、もしかしたらプーチンを地政学的にも同盟国にできるかもしれないと考えていた。一方、プーチン政権は、第二次世界大戦後の国際秩序を覆し、EUとNATOを分断しようとしていた。プーチン政権は、近隣諸国をいじめ、他国を侵略し、外国の地であっても批判する者を殺害した。
さらに、プーチンとその取り巻きは、リベラル資本主義の弱点である、金持ちの強欲さを非常によく理解していた。ロシアの資本が1990年代から2000年代にかけ、ロンドンの財産、企業、政治的エリートなど、どれだけ買ったかを考えてみてほしい。最近では、ロシアのサイバー戦争と資金は米国と英国の政治を歪めている。英国の場合、2016年のブレグジット国民投票に対する攻撃が最も悪質であった。
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