「在宅の時間が増えた今がAIを学ぶ絶好の機会だ」 インタビュー/東京大学大学院 工学系研究科 教授 松尾 豊

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研究の第一人者が語る「AIとの向き合い方」

まつお・ゆたか 1975年生まれ。97年東京大学工学部卒業、2002年同大学院博士課程修了。19年4月から現職。日本ディープラーニング協会理事長やソフトバンクグループ社外取締役も務める。(撮影:ヒダキトモコ)

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ビジネスにAIを活用するうえで必要なことは何か。多くの大企業と協業する東京大学大学院工学系研究科の松尾豊教授に話を聞いた。

──ビジネスパーソンはAIとどう向き合えばいいのでしょうか。

AIはあくまで道具。それを使って何をするかが大事だ。ここ数年で、AIの中でもディープラーニングが大きく発展し、画像や音声の認識能力、判断の精度が高まった。これにより定型作業の多くを自動化しやすくなった。

ただし、単にAIで自動化すればいいわけではない。飲食店での会計で、手書きの伝票の計算を文字認識で自動化しても、手でレジに入力するのと比べて作業時間がそれほど短くならないし、費用対効果が高いとは思えない。

一方で、製造業はAIを導入するメリットが大きい。例えば工場での検査工程を人力で行っているため、生産能力を上げられないことがある。これをAIの画像認識で自動化すれば、人件費を削減できるし、生産量も上げられる。ビジネスのボトルネックが何かを見極めることが重要だ。

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