「店舗型旅行会社の時代は半分終わった」 旅行業界の重鎮、エイチ・アイ・エス澤田社長が断言
――足元の旅行需要は、日韓関係の悪化や香港の情勢不安による影響が出ています。
韓国や香港の問題はこれまでもあったが、エイチ・アイ・エスは戦略的にハワイやヨーロッパ、クルーズなどほかに力を入れてきた。エイチ・アイ・エスのディスティネーション(目的地)は全世界。もちろん若干のダメージはあったものの、19年は全体的にいい結果を出せた。
――エイチ・アイ・エスが展開する「変なホテル」と同等の宿泊特化型ホテルは、主要な都市で供給のだぶつきが指摘されています。
ホテルはあちこちで建っている。間違いなく競争が始まるが、それはそれでいいのではないか。もちろんサービスや値段、立地条件などの競争軸で準備をしていなければ、現在のように客室の稼働率が80%から90%と高い水準のままではいかない。
インバウンドよりアウトバウンドが課題
――東京五輪を控えた20年の旅行業界の展望は。
インバウンドは年々増えており、現在の年間3000万人程度から4000万人規模へと成長するだろう。放っておいてもどんどん増えていく。ただ、日本人の海外旅行(アウトバウンド)に関しては、東京五輪の開催時期に(日本人が国内にとどまれば)、かえってマイナスの影響が出ると思ったほうがいい。
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