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「店舗型旅行会社の時代は半分終わった」 旅行業界の重鎮、エイチ・アイ・エス澤田社長が断言

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英トーマス・クックの経営破綻を受け、むしろ「刺激を受けた」と笑い飛ばす澤田氏(撮影:今井康一)
旅行業界は2020年に東京五輪という一大イベントを控える一方、日韓関係の悪化や香港の情勢不安で先行きが不透明になっている。また、店舗型の旅行会社が牽引してきた業界には、オンライン旅行会社(OTA)の台頭という地殻変動も起きている。19年に生じた世界最古の旅行会社とされる英トーマス・クック・グループの経営破綻は、業界に衝撃を与えた。
かつて格安航空券の取り扱いで旋風を巻き起こしたエイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長兼社長に、旅行業界の将来や店舗販売のビジネスモデルの行方を問うた。インタビューの終盤には、自身の経営者人生における反省や、創業から40年が経とうとするエイチ・アイ・エスの将来も赤裸々に語った。
※本記事は週刊東洋経済12月28日-1月4日の新春合併特大号に掲載したインタビューの拡大版です。

――足元の旅行需要は、日韓関係の悪化や香港の情勢不安による影響が出ています。

韓国や香港の問題はこれまでもあったが、エイチ・アイ・エスは戦略的にハワイやヨーロッパ、クルーズなどほかに力を入れてきた。エイチ・アイ・エスのディスティネーション(目的地)は全世界。もちろん若干のダメージはあったものの、19年は全体的にいい結果を出せた。

――エイチ・アイ・エスが展開する「変なホテル」と同等の宿泊特化型ホテルは、主要な都市で供給のだぶつきが指摘されています。

ホテルはあちこちで建っている。間違いなく競争が始まるが、それはそれでいいのではないか。もちろんサービスや値段、立地条件などの競争軸で準備をしていなければ、現在のように客室の稼働率が80%から90%と高い水準のままではいかない。

インバウンドよりアウトバウンドが課題

――東京五輪を控えた20年の旅行業界の展望は。

インバウンドは年々増えており、現在の年間3000万人程度から4000万人規模へと成長するだろう。放っておいてもどんどん増えていく。ただ、日本人の海外旅行(アウトバウンド)に関しては、東京五輪の開催時期に(日本人が国内にとどまれば)、かえってマイナスの影響が出ると思ったほうがいい。

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