自前の物流網を一気に拡大、アマゾンジャパンの真意 物流部門を統括するジェフ・ハヤシダ氏が取材に応じた
ヤマトとの関係を維持しつつ、自前のネットワークをどこまで拡大できるのか。
アマゾン物流の“ドン”が沈黙を破った。アマゾンは個人事業主に直接配送業務を委託する「アマゾンフレックス」を今年1月から日本で本格展開している。その意図は語られてこなかったが、アマゾンジャパンで物流部門を長年統括するジェフ・ハヤシダ氏が本誌の取材に応じた。
3年以内に全国展開
「人、組織の面でようやく始められる準備が整った。米国で2015年に始まったころから、日本でも本当はやりたかった」。ハヤシダ氏の中で「自前物流」となるフレックスの展開構想は4年前からあったことを明かした。現在、首都圏を中心に展開している6つの地域を「3年以内に全国に広げる」という。
一方でハヤシダ氏は、「すべてを自分たちでやるつもりはない。ヤマト運輸など大手宅配会社とはこれからも付き合っていくし、彼らとの協力体制がなくなることは決してない」と強調した。
アマゾンが大手の中でも、とりわけヤマトに神経を使うのには理由がある。ヤマトは13年から佐川急便に代わり、アマゾンの倉庫から出荷される大部分の荷物を取り扱ってきた。全国約4000カ所の事業所と約6万人のセールスドライバーを抱えるヤマトは国内随一のネットワークを有しており、宅配便シェアは18年度も42%強を占める。アマゾンにとっては重要な配送パートナーである。
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