国内ガリバー飛躍の条件 ヤフー・LINEが統合
日本で圧倒的な地位を築く2社だが、世界の巨人から見ればはるかに小さい。
日本国内のネット事業で圧倒的な顧客基盤を持つ2社が手を組んだ。
11月18日、ヤフーを傘下に持つZホールディングス(HD)とLINEは経営統合を発表。来年10月をメドにLINEはZHDの傘下に入る。現在のZHDとLINEの親会社であるソフトバンク、韓国NAVERとともに、さまざまな分野での協業を進める。
ヤフーの国内月間利用者は約6700万人、LINEは約8200万人。18日の会見でZHDの川邊健太郎社長は、「最強のOne Teamを目指す」と意気込みを示した。
最大の競合が味方に
これで様相が変わりそうなのが、スマートフォン決済の覇権争いだ。ソフトバンク・ヤフー連合の「PayPay(ペイペイ)」とLINEの「LINE Pay(LINEペイ)」は巨額のキャンペーンを展開し、最大のライバル同士としてしのぎを削ってきた。
スマホ決済事業者は独自の囲い込み策を講じる一方、それぞれの不得意分野を補うために提携関係も築いてきた。そんな中、大手で唯一「単独路線」を貫いていたのがペイペイだ。昨年の「100億円あげちゃう」と銘打ったキャンペーンで一気に知名度を高めたが、キャンペーン費用が重く、ペイペイは2019年度の上期(4〜9月)で営業損益が345億円の赤字。総力戦の様相を呈するスマホ決済市場において1つの企業グループで戦い抜くには限界もある。ペイペイがいつ、どこと組むのかが注目されてきた。今回の経営統合によって、最大のライバルが味方になる。
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