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ルネサス、復活なるか 針路定まらず手探り続く 新型スカイラインの中核部品に採用

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リストラの連続で弱まった競争力。自動運転技術を見据えて反転攻勢を探る。

高速道路を時速80キロメートルで走行。低速で走る目の前の車に近づくと、適切なタイミングで車線を追い越し車線に変更し、追い抜いた後は走行車線に戻る。滑らかな動きでほかの車との距離もしっかり保っている──。

これらの動作を自動でこなす自動車が9月、日産自動車から発売された。新たな先進運転支援技術「プロパイロット2.0」を搭載した新型スカイラインだ。

7つのカメラと5つのミリ波レーダー、12個もの超音波センサーを備える。あらかじめ登録した3D高精度地図データの情報と組み合わせることで、冒頭のような走りを自動で実現する。自動運転レベルは「2」のため、あくまでADASと呼ばれる先進運転支援システム扱いだが、これまでの安全対策といった位置づけから自動運転に向け、進歩を見せつけた。

(左上)ハイブリッド車は「プロパイロット2.0」が標準装備だ。(右上)開発用の「R-Car」のスターターキット。(提供:ルネサス)(下)ハンドル付近のボタンを操作しシステムを作動させる

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この技術を実現するうえで核となる、大量の情報を処理する部品が「車載半導体」だ。自動運転で必要となる「認知」「判断」「制御」などあらゆる分野で使われる。ルネサスエレクトロニクスはその中でも中核に当たる2つの半導体を開発、供給している。1つ目の車載用SoC「R-Car」はカメラなどから得た周辺車両のデータを分析し、自車の行動計画を判断する。そのうえで2つ目の制御用マイコン「RH850」がハンドルやアクセル、ブレーキなどへ指令を送る。いわば「プロパイロット2.0」の頭脳に当たる部分を担っている。

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