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トヨタ生産方式の今 「豊田章男 100年の孤独」 第23回

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(撮影:梅谷秀司)

「友山、まず生産調査部を立て直してもらいたい」

トヨタ自動車が「TPS本部」を設けたのは、2018年1月のことだ。

自動運転や電動化など新技術が台頭し、自動車業界は100年に1度の大変革期にある。だからこそ、継続的な業務改善で競争力を高める必要がある。

そこでトヨタは、経営哲学のトヨタ生産方式=TPSを取り戻すべく、生産部門はもとより、営業や技術開発部門の事技職(事務・技術職)なども含めて、全社的にTPSを展開し、競争力の底上げを目指した。

「おまえが面倒をみてくれ」

と豊田章男から命じられ、本部長に就いたのが、副社長の友山茂樹だ。

章男の指示は具体的だった。

「TPSを何とかする前に、まず生産調査部を立て直してもらいたい」

友山は、「僕のルーツはTPS」と自認するほどの“カイゼンマン”だ。

【生産調査部】大野耐一らがTPSの現場への浸透を目指して創設したセクション。厳しい指導により現場から恐れられた。章男はトヨタ入社7年目の1990年に同部に配属され、「現地現物の大切さを学んだ」と語っている。

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