クルマは、そもそも約75%が仕入先からの部品でつくられている。ということは、部品の調達にかかる費用は、桁外れに大きい。トヨタ自動車の場合、売上原価二十数兆円の約75%が部品の購買費に当たる。ザックリ計算して、年間15兆円以上の巨額に及ぶ。さすが、世界のトヨタらしいスケールの大きな話だ。
この部品購買費をどこまで圧縮できるかに、トヨタの命運が懸かっている、といっても過言ではない。しかし、それは、トヨタだけの力では限界がある。仕入先と協力し、徹底して「原価のつくり込み」を行う必要がある。問われるのは、“調達力”だ。
従来、自動車メーカーと仕入先の関係は“ケイレツ”と呼ばれ、上下および従属関係が存在した。メーカーを頂点に、ティア1、ティア2……というふうにピラミッド構造になっていた。“ケイレツ”批判はかねてあった。
【ケイレツ】企業系列すなわち企業間の結合関係。通常の取引に加えて融資、役員の派遣、技術指導などを行い、密接に連携する。自動車産業の場合、実質的に自動車メーカーと部品メーカーの支配と従属かつ相互依存の関係が多い。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら