企業年金は年金と一時金のどちらにすればよいのか 公的年金までの中継ぎ

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長生きリスクと低金利時代をどう生き抜くか。これからの老後設計は、就業継続による収入、私的年金、公的年金の継投型が望ましい。

イラスト:髙栁浩太郎

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年金制度とは、その名のとおり「毎年定期的に一定の金銭を給付する制度」だ。だが、わが国の企業年金の大きな特色としては、年金(分割)での受給だけでなく、一時金(一括)による受給も選択できる点が挙げられる。

ここでは、企業年金における年金・一時金の選択のポイントを解説するとともに、就業継続による収入や公的年金と組み合わせた新たな老後設計のあり方を示したい。

わが国の企業年金、一時金受け取りが主体

企業年金の年金受給資格者は年金・一時金のどちらを選択しているのだろうか。6割前後は全額を一時金で受給している。年金受け取りとの併用を含めると、約7〜8割が一時金で受給している。

一時金での受け取りが選好される理由については諸説ある。住宅ローンの返済やまさかのときのための手元資金の確保といった要因も指摘されている。だが、最大の要因とされるものの1つに、年金受け取りと一時金受け取りの税制上の取り扱いの差異がある。

年金受け取りの場合、当該年金額から「公的年金等控除」を控除した額が「雑所得」とされ、ほかの所得と合算したうえで税率が適用される。他方、一時金受け取りでは、当該一時金額から「退職所得控除」を控除した額に2分の1を乗じた額が「退職所得」とされ、ほかの所得とは分離して課税される。

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