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どうして起こった⁉「2000万円不足問題」 Part1 年金炎上!|年金改革と無縁の金融庁が暴走

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再び高まる年金不安。ただ、選択次第で年金給付額を増やせる現在の制度改革の姿はあまり知られていない。制度改革を活用し、あなたのスタイルにふさわしい、公的年金中心の老後設計を手ほどきする。

本誌:野村明弘

週刊東洋経済 2019年7/13号
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「金融庁はまたいつか、何かしでかす」──。公的年金制度関係者の不安は的中した。

6月3日に公表された金融庁金融審議会の市場ワーキング・グループ(WG)報告書「高齢社会における資産形成・管理」。「公的年金だけでは老後に2000万円不足する」とした内容をめぐり、国民の不安は高まり、テレビやネットで年金が “炎上”。6月16日には東京・日比谷公園周辺で若者を中心とした約2000人が「生活できる年金払え」とデモ行進した。

不用意な発言で火に油を注いだ麻生太郎金融担当相・財務相(右)。安倍首相(左)は火消しに躍起だ(毎日新聞社/アフロ)

報告書の問題点は、複数指摘できる。まず高齢夫婦無職世帯の平均値を使って「老後に2000万円不足」とした点だ。その根拠として毎月の収支が約5万円の赤字になるというが、下図表上のように実際の年金額は千差万別だ。

同図下の高齢世帯の貯蓄残高を見れば、平均2292万円。こうした数値は報告書でも触れられており、平均値で語るなら、「老後に2000万円足りないが、貯蓄はそれ以上にある」と強調することもできたはずだ。

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