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「店の数より質追求へフェーズは変わった」 インタビュー2|ファミリーマート社長 澤田貴司

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さわだ・たかし●1957年生まれ。上智大学理工学部卒業後、81年伊藤忠商事入社。97年にファーストリテイリングへ入社し、翌年に同社副社長。2005年に企業経営支援会社リヴァンプを設立。16年9月から現職。(撮影:梅谷秀司)

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2016年にサークルK・サンクスを傘下に収め、統合作業を昨年秋にようやく終えたファミリーマート。店舗数はセブン-イレブンに次ぐ業界2位になったが、統合作業と並行して大量の店舗閉鎖にも踏み切った。澤田貴司社長が思い描くコンビニ業界のこれからと、ファミマが生き残る道とは。

──コンビニ業界が直面する課題をどう認識していますか。

日本の流通業界全体が、出店したらしただけ物が売れるという時代を長く謳歌してきた。しかし、人口が増えなくなり、ドラッグストアなど新たな業態もどんどん出てきて、真っ先に百貨店が不振になり、それに続いて総合スーパーがおかしくなった。

コンビニ業界もご多分に漏れず規模を追い求め、その結果として、今では店舗数が業界全体で6万店弱もある。当然、店舗間の競争は激しくなり、既存店の売り上げは完全に頭打ち状態だ。

加盟店と向き合い問題を解決していく

──サークルK・サンクスとの統合後、大量退店に踏み切りました。

統合によって1万8000店のチェーンになったが、明らかに店舗数が多すぎた。いびつな状態を解消するために、出店を抑える一方で3000店以上を閉店した。量(店舗数)の追求から、質、つまり既存店の強化に変わらないと明日はないと思っている。

店舗数首位がナンバーワンのコンビニチェーンだ、という考え方には意味がない。これからは、加盟店からの支持がいちばん高いチェーンがナンバーワンだ。サークルK・サンクスとの統合作業が昨年の11月に終わり、いよいよ「ワンファミリーマート」になった。ここから既存店の強化にもっと力を入れるべく、今期は全投資予算の85%を既存店に振り向ける。

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