消費者が大量の情報にアクセスできる現在、消費者との接点である「ブランド」をどのように展開し他社との差別化を図っていくのかが、企業戦略上いっそう重要になっている。
全能感を生むブランド 維持のため不正も伝承
──KYBの検査データ改ざんや日産自動車の検査時不正など企業の不祥事が後を絶ちません。本書では、ブランドが不祥事を生む経緯について迫っています。
ブランドが長期間、シェア上位にあり、競争相手が弱いとき、そのブランドを所有する企業に一種の「緩み」が生じることがある。
2000年に集団食中毒事件を起こした雪印乳業の社長が、記者会見を無理やり打ち切ってエレベーターに乗ろうとした際、追いすがる記者に「僕は寝てないんだよ」と言って印象を悪化させたことを、多くの人が覚えているのではないか。また、米カジュアルファッション「アバクロンビー&フィッチ」のCEOが、「われわれはかっこよくて見栄えのする人たちしか相手にしない」というようなコメントをして、消費者の不評を買ったこともある。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら