“空気読まない”発言で、炎上キャラとしても人気の著者による初小説。最先端のライフスタイルと表裏一体に、ずしりと重い死の問題が横たわる。ラストを包むのは凪(なぎ)のような静けさ。
──今回、小説という形を取られたのはなぜですか?
平成が終わるということで、何か作品を書きたいという思いがありました。本屋さんに行くと平成論の本がたくさん並んでるけど、全部失敗してる気がする。たまたま平成という名でくくられたこの30年間を理論化するのはすごく難しい。だったら物語の形を取ったほうが、平成という時代、その終わりの空気感を表現できるんじゃないかと思いました。
──主人公「平成くん」の人物像にご自身を投影されていますか?
友達の部分もあるけど、結果的には僕の部分がすごく多くなったなと思います。恋人の「愛ちゃん」と触れ合うシーンは少し異常に見えるかもしれないけど、実際に僕は粘膜の接触が好きじゃないし、セックスが好きじゃないのはそのとおり。「こうなったら楽だな」みたいな感じの理想の描写です。よく潔癖症と勘違いされるんだけど、家の中は案外散らかってたり、他人のにおいには敏感でも自分のは気にならないとか、そういうところは近いなと思います。
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