『スッキリ中国論』を書いた田中信彦氏に聞く 「お互いの思考様式を理解すれば軋轢は最小限にできる」

✎ 1〜 ✎ 193 ✎ 194 ✎ 195 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

物事に対し「あるべき論」が好きな、いわばスジを通したがる日本人。一方、中国人が重視するのは「あるべき」ではなく「あるのか、ないのか」の現実。「ある」なら「どれくらい(量)」が判断基準になる。両者の思考方法を「スジ」と「量」で表し、相互の理解を促す。

スッキリ中国論 スジの日本、量の中国
スッキリ中国論 スジの日本、量の中国(田中信彦 著/日経BP社/1500円+税/349ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

窃盗は違法行為だが少量ならおとがめなし

──行列に割り込む中国人の論理には笑ってしまいました。

自分が急いでいるとき、ほかの人が急いでいなければ割り込んでも順番が一つ遅れるだけだから問題はないだろう、と考えるのが中国人。実際に割り込んで怒る人がいたら、怒った人の後ろに入り直してみる。逆に、自分が割り込まれる側になっても、自分が急いでいなければ怒ったりしない。

──窃盗も量によっては刑事罰を受けないというのも驚きです。

量で考える社会は、こうあるべきという考え方をしないので、許容範囲が広い。あくまでも、行動によって大きな問題が起きるかどうかが判断基準だ。違法行為であっても、社会的影響が大きくなければ犯罪ではないと考える。窃盗も500元(約8500円)以下は犯罪にはならない。

関連記事
トピックボードAD