勝算はあるか?丸井、証券業へ「異業種参入」 第1回 小売りで培った「対話力」で若い女性を開拓

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青井浩(あおい・ひろし)/1961年生まれ。慶応義塾大学文学部卒。仏・米国への留学後、1986年に丸井入社。1991年に取締役就任。2005年から代表取締役社長。祖父は創業者の青井忠治(撮影:梅谷秀司)

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ファッションビルを運営する丸井グループ。創業家出身の青井浩社長はこれまで、次世代を見据えた改革を次々と実行してきた。

現在、グループ全体の営業利益のうち8割を叩きだすクレジットカード事業では、自社店舗でしか使用できないハウスカードを長年展開してきたが、2006年に汎用カードである「エポスカード」を発行し、ショッピングクレジットの利用拡大を図った。ファッションビル事業では、商品を仕入れて販売する従来の自社販売型から、テナント導入による不動産型へと転換を進めている。

ただ、EC(ネット販売)が勢力を伸ばすなど、小売業を取り巻く環境は年々厳しさを増している。丸井グループは今後も改革路線を貫くことができるのか。青井社長を直撃した。インタビュー(全3回)の初回は、今年8月末にサービスを開始した証券事業にせまる。

投資に興味がない若い世代をターゲットにする

──証券業に参入した真の狙いは何でしょうか。

丸井グループは、祖業が家具の月賦販売だ。それが現在のファッションビルやクレジットカードのビジネスにつながっている。カード事業を展開する際、信用が低いとされていた若者や中堅所得の顧客にもサービスを提供してきた。そういった若い層を中心とした顧客に支持されたので、丸井グループはここまで続いてきたと感じている。

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