静岡県浜松市が擁する世界企業の一つが、国内楽器最大手のヤマハだ。幼少期に「ヤマハ音楽教室」(運営は一般財団法人ヤマハ音楽振興会)に通った人も少なくないだろう。早くから海外に進出し、ピアノやギターから打楽器まで、幅広い品ぞろえを持つ世界的な総合楽器メーカーとしての地位を確立した。
2017年度業績は売上高4330億円(前期比6.1%増)、営業利益488億円(同10.2%増)となり、過去最高益をたたき出した。2018年度には売上高4420億円、営業利益550億円を計画し最高益更新を見込む。牽引するのは、やはり楽器事業だ。
中でも成長の期待を寄せるのが、ギターである。ギターを含む弦打楽器は2017年度の売上高が8%(為替影響除く)伸び、他の楽器よりも高い成長率を達成。また、世界の楽器市場規模は約8000億円(ヤマハ調べ)。ギターはピアノと並び、そのうちの3000億円と大きい。
今年4月にはアメリカにギター戦略の拠点を開設。M&Aにも積極的だ。だが「YAMAHA」のブランドは知名度こそ高いが、ハイエンド(高級)のブランドとしての認知度は、「ギブソン」や「マーティン」といったアメリカブランドに引けを取っているのが現状だ。2018年度を最終年度とする中期経営計画で「ブランド力の強化」を目標に掲げ、自らも中高時代から長くギターに親しんできたという中田卓也社長に話を聞いた。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら