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窮地の格安スマホ 市場拡大でも軒並み苦戦

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市場は年率2割拡大。認知度も向上し、すっかり定着した感のあるMVNO。しかし実情は厳しさを極め、各社とも声なき悲鳴を上げている。

本誌:奥田 貫

多くの人が行き交う渋谷センター街の中心部に、ひときわ目を引く鮮やかな緑色の建物がある。看板には緑色の背景色に白色で「mineo(マイネオ)」の文字。MVNO(仮想移動体通信事業者)を展開するケイ・オプティコムが2017年2月に関東地方で初めて開いた実店舗だ。店内にはカフェも併設され、外壁に掲げられたスイーツのメニューが、若者を店へと誘う。顧客に関心を持ってもらうための仕掛けだ。

ほかの多くのMVNOと同様、ウェブ申し込みが中心だったマイネオ。この一等地に構えた店は、まもなくオープンから1年半になる。賃借料はバカにならない。が、ケイ・オプティコムの担当者は「認知度を上げて、携帯電話会社を選ぶときの選択肢に入らないといけない。土俵に上がらないと勝負にならない」と話す。高額の賃借料も必要経費との認識だ。

同社は、テレビCMも積極的に流している。果敢な販促も奏功し、マイネオの回線契約者数は今年4月に100万人を突破した。1年前と比べ、約1.5倍だ。それでも担当者は「決して楽観できるような状況ではない」とこぼす。

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