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IPO難民たちの憂鬱 会計士不足で上場は困難

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2020年の上場を目指していたベンチャー企業に“監査難民”が生まれている。

あずさ監査法人は2017年11月、「働き方改革」を理由に新規受注停止を宣言した(撮影:尾形文繁)

数年前に上場したあるIT企業は、最近ベンチャー投資に注力している。IPO(株式新規公開)が手っ取り早く業績を押し上げるからだ。

ただ、ネックとなっているのが監査法人の対応。公認会計士の資格を持つ同社のCFO(最高財務責任者)は、「IPOをさせたくて、監査法人に案件をバンバン紹介している。子会社の監査は何とか引き受けてくれるが、投資先の監査は全然ダメ。取り付く島もない」と憂鬱そうに語る。

IPOに当たっては、直前とその前の決算期について、金融商品取引法監査に準ずる監査を受ける必要がある。簡単にいえば、公認会計士の監査を受けた2期分の有価証券報告書と、重要な点はすべて適正だとの「無限定適正意見」意見書がないと上場できない。

かつては大手監査法人が熾烈な奪い合いを繰り広げていたIPOの準備監査。近時は新日本監査法人、あずさ監査法人、監査法人トーマツ、PwCあらた監査法人という4大監査法人がIPOの受注を大幅に制限。上場を目指すベンチャー企業が監査難民と化している。

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