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読解力を最重要視する理由 教育先端都市、埼玉・戸田市の挑戦

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読解力を可視化するリーディングスキルにより、授業での丁寧な解説が定着しつつある(撮影:尾形文繁)

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市を挙げて読解力の向上に取り組んでいるのが埼玉県の戸田市だ。2015年6月にリーディングスキルテスト(RST)を導入した。このときの受検者は中学2年生と3年生の一部、計347人だった。16年は対象を小学6年生まで広げ、前年の約10倍となる3528人に拡大。そして17年には、全小6と全中学生の計4524人がRSTを受けるまで活動を広げている。

ここまで全面的にRSTを導入しているのは埼玉県内で戸田市だけだ。全面導入の背景には何があったのか。戸田市の戸ヶ﨑勤教育長は、「長年の教師経験から、子どもたちは『教科書を読めている、理解している』と思い込んでいた。それが間違いだったと気づかせてくれたのがRSTだった」と語る。

戸田市でRSの導入を推進する戸ヶ﨑勤教育長

受検者の拡大と並行し、教師らはRSTを開発した国立情報学研究所の研究員を交えた自主的な勉強会を開き、それぞれの担当教科でRSTの問題を作成。作った問題数は400に上る。

また学力調査などで生徒らが間違えた問題について、リーディングスキル(RS)の観点から分析する研修会も開いた。「子どもたちは問題文のどこで読み違えているのか、先生たちが把握できるようになった」と、同市教育委員会の新井宏和指導主事は語る。

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