行動経済学を理解するために最適な4冊。情報工場の協力を得て、その超要約を掲載。
行動経済学は華々しくデビューしたわけではない。学界では「正統ではない」として当初は批判、ときに非難までされていたのだ。それが今では世界の有力大学で研究され、研究者が公共政策の立案に携わるまでになった。
本書はそんな行動経済学の、いわば「逆襲」の軌跡を振り返る。そしてその中で、従来の主流派経済学との違いや、なぜ現代社会に役立つのかなどを明らかにしている。著者は行動経済学のパイオニアの一人で2017年のノーベル経済学賞受賞者、リチャード・セイラー氏だ。
心理のバイアスも重視
伝統的な経済理論はいずれも「人は合理的な行動をする」ことを前提に組み立てられている(合理的選択モデル)。しかし、現実の世界において、人間は必ずしもつねに合理的に行動しているわけではない。
著者が大学院在学中に作成した「身近な不合理な行動」のリストの中に、こんな文章がある。「(友人の)リーはクリスマスに奥さんから高価なカシミアセーターをプレゼントされる。リーはそのセーターを前に店で見ていたが、贅沢すぎるので買うのをやめていた。しかし、リーはプレゼントを喜んだ。リー夫婦はお金を一緒に管理しているので、夫婦の財布は一つである」。
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