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禁煙に挫折するのはなぜ? 健康

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(撮影:梅谷秀司)

30代後半のBさんは2年前、「家族のためにもきっぱり、たばこをやめる」と固く禁煙を誓ったが、今でもスモーカーだ。健康によくないことは十分理解しているが、何度かチャレンジした禁煙は毎回すぐに挫折。できるだけ本数を減らしてはいるが、食後の休憩時間や飲酒時の一服がどうしてもやめられない。

世界的に見ても先進国においては、たばこ離れが時代の大きな流れだ。JTの調査によると、日本の喫煙者率も年々下降線をたどっており、2000年に50%以上だった成人男性の喫煙率は昨年、初めて3割を割り込んだ。とはいえ、年代・性別分布で見ると、30〜50代の男性ではまだ喫煙者が多い。

喫煙行為には健康リスクが付きまとい、肺・咽頭がんや脳卒中、心筋梗塞など重大な病気の原因になりやすい。健康によくないことは誰もが知っている。にもかかわらず、Bさんのように喫煙家はなぜたばこをやめられないのだろうか? ニコチンなどの中毒性や習慣性、本人の意志の弱さなどが理由として真っ先に思い浮かぶが、実は人間の思考や心理も大きく影響している。

将来の利益よりも目先の満足を選ぶ

将来の病気リスクが高まることを認識していながら目先の満足のために喫煙するのは、極めて非合理的な行動に見える。しかし、「宿題がたくさんあるにもかかわらず、テレビのお笑い番組を長時間見てしまった」「ダイエット中なのに大好物の大福を我慢できない」などの経験は誰にでもあるだろう。このように、未来の利益よりも目先の利益や満足度を過剰に優先しがちな人間の心理を、行動経済学では現在志向バイアスと呼ぶ。

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