長寿社会で住まいの選び方が変化している。親(リタイア世代)は安心して人生を終えられる「終の住処」を求め、子(現役世代)は都心と郊外、賃借と購入、戸建てとマンションといった選択を迫られている。実家をどうするかも家族の大問題だ。お盆の時期、「これからの住み替え」を家族でじっくり考えたい。
東京の都心から30km圏内にある千葉県柏市の柏ビレジは、東急不動産が1980年に分譲を始めたニュータウンだ。総戸数1600戸、1区画の敷地面積が平均200平方メートルと広く、当初の平均分譲価格は4600万円だった。
購入したのは、都心の大手企業に通う会社員など比較的所得の高い人たちだ。バブルの頃には1億円クラスの物件もあり、「住むことがステータスになる高級住宅地だった」と地元の不動産業者は言う。
しかし、現在売りに出されている中古物件の価格は1500万~2000万円ほどと、大幅に下落している。今年3月に発表された住宅地の公示地価では、首都圏の価格が底入れの機運にある中、この街の一画は前年比マイナス8.5%と全国最大の下げ幅となった。
現地を歩いてみると、青々と葉を茂らせた街路樹に沿って2階建ての戸建て住宅が整然と並んでいる。れんがの塀で統一された街並みは、建築家の宮脇檀(まゆみ)が設計にかかわったとあって、落ち着きのあるたたずまいだ。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら