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『自民党ーー「一強」の実像』 『ジャズ・アンバサダーズ』

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自民党―「一強」の実像 (中公新書)
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なかきた・こうじ●一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は日本政治外交史、現代日本政治論。1968年生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中途退学。博士(法学)。大阪市立大学法学部助教授、立教大学法学部教授などを経る。

優位性は変わらず 自民党軸の展開が続く

評者 BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

向かうところ敵なしだった安倍晋三政権に強烈な逆風が吹いている。支持率は40%を割り込んだ。歴代政権では、30%台の滞空時間は短く、間を置かず危険水域の20%台へ落ち込んだ。ねじれ国会に直面していないため、退陣や解散総選挙に追い込まれた歴代政権とは異なる経路を辿(たど)るのか。

本書は、小選挙区制や政党助成制度の導入など1994年の政治改革で党中枢の権力が強化され、大きく変貌した自民党を分析したものだ。時宜を得た研究が出版された。

安倍首相は4度の国政選挙に圧勝したが、全有権者に占める自民党の絶対得票率は小選挙区でも25%程度にとどまる。自民党に代わる受け皿の不在で投票率の低下が続いていることと、公明党の強力な選挙協力の二つが勝因と論じる。今回の都議選では、公明党が小池百合子都知事率いる都民ファーストの会と連携、投票率も高まり、自民勝利の2条件が崩れたのだ。自公連立の枠組みは堅いが、新勢力の国政進出で変化が生じるかもしれない。

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