この夏、自民党の派閥が久しぶりに話題になっている。7月3日、麻生派に山東派などが合流し派閥メンバーは59人に拡大。96人を擁する細田派に次ぐ党内第2派閥となった。一方、岸田派(宏池会、46人)は、池田勇人元首相による結成から60年になるのを記念し、シンポジウムを開いた。
衆院に小選挙区制が導入されて派閥の存在意義は大きく変わった。党運営は執行部が中心となり、中選挙区制のときの「派閥あって党なし」という政治は過去のものとなった。今後は理念や政策を軸に、保守、リベラル、中間という三つの勢力に収斂(しゅうれん)していくだろう。その過渡期ともいえる派閥の現状を見てみよう。
定数3〜5が原則である中選挙区制の下で、派閥は全盛期を迎えた。総裁選をにらんで各派閥が所属議員の数を増やそうと血眼になる。同じ自民党なのだから政策に差はない。いきおい、有権者へのサービス競争が激しくなる。地元からの陳情をどうさばくか、政治家や秘書の腕の見せどころだった。候補者への政治資金は党本部よりも派閥から多く与えられた。
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