組織的犯罪を計画・準備段階で処罰するテロ等準備罪法案(いわゆる「共謀罪法案」)の審議が衆議院法務委員会で続いている。政府・与党は大型連休明けにも可決して参議院に送り、6月18日の今国会会期末までには成立させたい考えだ。
これに対して民進、共産両党など野党側は「監視社会につながる」などと反発。激しい論争が繰り広げられている。与野党の議論の中では、金田勝年法相の答弁能力に疑問が出る一方、野党側も専門的な問題での追及には苦労している。共謀罪の論戦を見ると、政策についての政治家の説明力とは何かを考えさせられる。
この法案は、正式には、犯罪を計画段階で処罰する共謀罪の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法の改正案である。その文言を見ただけでも、多くの人々は「何のことだろう」と思うに違いない。
簡単にいえば、犯罪が行われていないのに、準備したり計画したりした段階で処罰しようという法案だ。現行の法律は原則として、犯罪行為があった後に処罰される。殺人やハイジャックなど重大犯罪に限り、その準備に対しても処罰ができるようになっている。
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