中国で政府や大手民間企業が個人の信用情報を管理する動きが広がっている。ローンの審査などに活用されるほか、治安維持の狙いもある。
個人の信用情報を政府や企業が一元管理し、個人の日常行動を管理する動きが加速している。デジタル技術の進化で信用情報の収集や分析が容易になり、信用度によって個人の「できること」に大きな格差がつく。「公共料金の支払い遅延を繰り返すと、航空機や鉄道にも乗れず、結婚にも支障を来す」といった事態が現実化しようとしている。
中国国務院は昨年12月、「個人信用体系建設の指導に関する意見」を発表し、社会的信用を失う行動をした個人に対する行動制限を強めると表明した。2016年11月までに航空機や列車の利用に関して問題行為のあった延べ700万人以上に対し、チケットの購入禁止などの措置を実施した。当局は「信用は第二の身分証。失えば外出もままならなくなる」と警告を発している。
こうした既存の政府系信用情報ネットワークに加え、近年、急速に影響力を強めているのが民間企業の信用情報システムだ。その代表例がアリババグループのインターネット決済システム「アリペイ(支付宝)」に付随する信用情報管理システム「芝麻信用」である。
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