四川省攀枝花(はんしか)市で党幹部が官僚に銃撃される事件が発生した。政府による苛烈な汚職処分で、官僚たちへのプレッシャーが増している。
年が明けてまもない1月4日。四川省攀枝花市で全国を騒がせる銃撃事件が発生した。
もちろん単なる銃撃事件なら中国でも珍しいことではない。だが、被害者が攀枝花市の党委員会書記と市長、加害者が同市国土資源局の現役局長となれば騒ぎにならないはずはない。
市国土資源局局長の陳忠恕は、同市会議展示センター会場に乱入し、会議中の被害者二人に向かって突然発砲した。二人は負傷したが命に別状はなく、その後、加害者の陳は同建物内で自殺した。
銃撃の動機は明らかになっていないが、その背後には官僚の腐敗に対する厳しい締め付けがあるのではないかとの観測が流れた。
事件の背景を、「問責制度が関係している」と語るのは、党機関紙記者だ。「昨年、官僚の責任を明確化する問責制度が確立されて以降、従来収賄の仲間だった官僚同士が、突然、処分する側とされる側になって対立するケースが目立っている」。
攀枝花市の事件は、局長と書記に感情的な対立があり、局長が激高型の人間だったとも報道されているが、書記と市長がそろって狙われたのは、二人に何か恨まれる理由があったからと考えるのが自然だ。
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