中国が地方政府の債務増加に歯止めをかける方針を発表。中央政府による救済を否定し、金融危機対策で膨らんだ地方債務問題の解決を図る。
中国の改革派官僚の大物として知られた財政部長(財務相に相当)の楼継偉氏が、11月10日に離任した。中国経済の構造問題に関する歯に衣着せぬ発言で国際的に注目された。財政改革に多くの実績を残した楼氏の置き土産が「地方政府の債務リスクへの緊急対応プラン」(11月14日に公表)だ。
このプランは、地方政府の債務リスクが金融システムの危機につながらないようにすることを目的としている。地方政府の債務急増に関して、楼氏は在任中に何度も警告を発していた。国務院のプランでは、「地方政府が返済すべき債務に対して、中央政府は救済処置を取らない」という原則が明確にされている。これは楼氏の「地方政府の債務は地方政府自身が負うべきもの」という考えを反映したものだ。
中央政府のリスクで地方が借り入れ競争
長きにわたって、中国では政府が破綻するという先例がなかった。省レベルの地方政府の債務は、金融機関にとって基本的にはノーリスクの債権だった。そして、最終的に一切のリスクは中央政府が引き受けてきたのである。
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