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海軍抜擢人事に透ける南シナ海への本気度 一斉入れ替えで尋常ならざる飛び越し人事

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長らく中国海軍のトップに君臨した呉勝利上将の退任が決まった。後任者は2代連続で元南海艦隊司令員。南シナ海重視の姿勢が鮮明になっている。

昨年7月、米海軍のジョン・リチャードソン作戦部長(写真左)と会談する呉勝利上将(同右)(AFP=時事)

2017年1月17日、中国海軍司令員であった呉勝利上将が退任し、南海艦隊司令員の沈金龍中将が海軍司令員の職に就いた。

中国メディアは、年齢に達したので退任したとしているが、呉勝利上将はすでに72歳であり、もっと早くに退任していてもおかしくない。

呉勝利上将は、06年8月から17年1月までの10年以上にわたって、海軍司令員の地位にあり続けた。これまでも、在任期間が長すぎることが話題になってきたが、ようやく交代になったともいえる。

中央軍事委員会の海軍のポストには、引き続き呉勝利上将が就いている。中央軍事委員会委員の任命は、5年に一度の中国共産党全国代表大会(党大会)で行われるので、順当にいけば、17年秋に開かれる第19回党大会において、沈金龍中将が同委員に就くものと考えられる。

しかし、今回の人事は、必ずしも順当だとはいえない。中国国内でも注目されているのが、新しい海軍司令員の階級である。

中国人民解放軍の最高階級は上将であり、中将ではない。しかも、沈金龍は、16年7月に中将に昇任したばかりだ。中将に昇任して、わずか6カ月後に海軍司令員に任命されたのである。

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