フィリピン次期大統領の対中政策は支離滅裂。米国のトランプ氏もしかり。将来の南シナ海情勢が見通せない中で、中国は強硬策に傾く。
5月9日のフィリピン大統領選挙の結果、ロドリゴ・ドゥテルテ氏が圧勝した。ドゥテルテ氏は、傍若無人な反主流派で、明確な政策を持たない。米国のドナルド・トランプ大統領候補に例えられるゆえんだ。選挙の期間中は挑発的な発言が大衆の人気を博す一方で、彼が主張する対中政策はまったく一貫性のないものだった。
「祖父が中国人だから中国と戦争はしない」と述べ、中国寄りの姿勢を示したかと思えば、「水上バイクで中国の人工島に行って旗を立てる」と中国を挑発する。支離滅裂である。また、「南シナ海問題は多国間で協議する」という彼の主張も、あくまで2国間問題として解決したい中国の神経を逆なでする。
フィリピンの研究者によれば、ドゥテルテ氏は大衆に迎合し、大衆が喜びそうな発言をするポピュリストである。したがって、フィリピン国内に、中国に対する強い不満がある現状で、彼はそれを無視できないと言う。さらに、彼のチームには元軍人が多くおり、軍の意向を無視しないともいわれる。
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