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資本主義は存続できるか、いやそうは思えない 書評:米国の外交政策と権力の本質をえぐる

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日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 1
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Joseph Alois Schumpeter●1883〜1950年。オーストリア・ハンガリー帝国生まれの経済学者。ウィーン大学法学部で博士号を取得。オーストリアのグラーツ大学教授、オーストリア共和国蔵相、ビーダーマン銀行頭取、独ボン大学教授、米ハーバード大学教授などを歴任。

資本主義は存続できるか。いや、そうは思えない

評者 BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

「資本主義は存続できるか。いや、そうは思えない」──。

シュンペーターは、経済発展の本質が企業家のイノベーションにあると説いたことで知られる。しかし資本主義は最終的に、その失敗による重圧からではなく、度外の成功で社会制度が揺らぎ、社会主義的傾向が強まり死滅に至るとも説いていた。本書は今日でも最も広く読み返される代表作の新訳である。

一般読者向けに書かれ、他の著作に比べ学問的緻密さに欠けるとして、本人は気に入っていないとガルブレイスに語ったことは有名だ。しかし経済領域と非経済領域の間の長期的な相互関係を通じ、経済学を超え、文明としての資本主義体制を分析した経済社会学の集大成の試みとして、現在も高く評価される。

社会主義国の大半が資本主義に移行した現在、本書を取り上げるのは時代錯誤と考える人もいるだろう。しかし、資本主義のエンジンである企業家は今や絶滅危惧種となり、経営者は益々官僚化、国家があらゆる分野に侵食する。とりわけ我が国では、若者が草食化し経済的成功への憧れは失われ、人々が気に掛けるのは平等や余暇、社会保障といったことばかりだ。完全雇用にもかかわらず、追加財政が繰り返されることに財界は全く異議を唱えない。それどころかイノベーションの枯渇に対し、成長戦略が不十分と政府を批判する始末だ。これこそ、シュンペーターが懸念した社会主義的傾向の表れではないか。

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