消費増税の再延期、野党候補の一本化、18歳以上への投票権拡大──。話題の多かった参院選が終わった。結果は121の改選議席中、安倍晋三首相率いる自民党が56議席(追加公認含む)、公明党が14議席と、合わせて与党が改選過半数(61議席)を上回った。おおさか維新などを含めた「改憲勢力」の議席数は参院全体の3分の2を上回り、憲法改正を発議する条件は整ったことになる。
一方、野党側は岡田克也代表の民進党は32議席で、改選の45議席を下回った。焦点だった32カ所の1人区は自民党候補が21勝、野党統一候補が11勝。特に東北・甲信越で野党の善戦が目立った。
安倍首相は内閣改造・自民党役員人事を済ませ、新体制で秋以降の政局に臨む。そこで重要になるのが政権の「旗印」である。首相はアベノミクスのエンジンをさらに吹かすと言うが、肝心の構造改革は遅々として進まない。徐々に迫ってくる衆院議員の任期(2018年12月)を考えれば、自民党の権益に絡む大胆な改革は難しい。参院選勝利後の政局運営は平坦ではない。
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