安倍晋三政権の与党、自民・公明両党の勝利で終わった参院選で、もう一つの焦点だった野党共闘への評価は定まっていない。32カ所の「1人区」の勝敗は、自民候補21対野党統一候補11。野党側はいま一つ勢いに欠けたが、共闘が実現しなかったら野党は惨敗したに違いない。民進・共産両党は次の衆院解散・総選挙に向けて共闘を続けたい考えだが、政権選択となる総選挙では、政策のすり合わせが必要になる。自民・公明両党は民共協力への批判を一層強めるのは確実。野党共闘は総選挙に向けて、その真価が問われることになる。
1人区の野党統一候補の善戦は東日本で顕著だった。東北6県では青森、岩手、宮城、山形、福島で自民党候補を破った。自民党が議席を守ったのは秋田だけだ。甲信越でも山梨、長野、新潟で野党が勝利した。民進党はこの要因について、東北・甲信越において(1)過疎化が進み、アベノミクスの恩恵が及んでいない、(2)TPP(環太平洋経済連携協定)への反発の強い農家が多い、(3)野党統一候補が地道に地域を回ったことで訴えが浸透した、などと分析する。
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