マスメディアと国民から総バッシングを受けながら、6月21日に辞任した舛添要一前東京都知事だが、本人はそれなりの戦略を組んでいたのだと思う。政治資金規正法は、政治資金の支出内容についての定めがない。したがって、社会通念上、抵抗感を持たれるものであっても違法行為にはならない。違法行為を追及されることもないのだから、不適切な支出があったことを認めて、それを弁済すれば危機を切り抜けられるというのが、舛添氏の当初の戦略で、同氏に助言をした弁護士たちもそれで大丈夫と考えたのであろう。
しかし、法的にはセーフであっても政治的にアウトになる事案は、現実の政治過程においてはいくらでもある。舛添氏もそのことはよくわかっていた。〈東京都の舛添知事が辞職願を提出した。舛添知事は15日午後、周辺に「与党の公明党に裏切られた」などと話していることが明らかになった。/舛添知事は周辺に対して「リオオリンピックまで何とか続けたかったが、公明党が聞かなかった。それで自民党が不信任案を引けなくなった」などと話したという。何とかリオオリンピックまで知事を続けられるようギリギリまで自民党と交渉していたことがうかがえる。その上で舛添知事は「都議会を解散しようと考えたことはなかった。辞職は誰に説得されたのでもなく自分で決めた」と述べたという。〉(6月15日、日本テレビ公式ウェブサイト日テレNEWS24)。
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