舛添要一東京都知事の政治資金などをめぐる問題が連日報じられ、テレビのバラエティ番組でも格好の話題となっている。知事としての海外視察で飛行機のファーストクラスやホテルのスイートルームを使った、湯河原の別荘にほぼ毎週末公用車で通った、参議院議員時代には家族旅行の費用を政治資金で支払った……。金銭感覚のおかしさや公私混同ぶりに対し、政治家としての資質が問われている。辞任を求める声はいっそう強まるだろう。そこで、このスキャンダルが投げかけている問題点を整理してみる。
第一に、問題となっているのは舛添氏自身の公私のけじめのなさである。都知事が週末に湯河原の別荘で静養するのは自由だが、少なくとも都庁を出る段階で自家用車に乗るのがスジだ。それを「知事の公用車は動く知事室。別荘との往復に使っても問題はない」などと強弁した時点で、舛添氏の苦しさが露呈している。
参院議員時代に、家族と年始を過ごした千葉県木更津市内のホテル代を政治資金で支出した問題では、「滞在中に事務所スタッフと重要な打ち合わせをした」と説明したが、私的な休暇費用に政治資金を流用したことは明らかだ。「セコい」という印象を与えたことは、舛添氏にとってダメージとなった。海外出張の経費が多額に上ったことについても「事務方が計画を作った」と部下に責任転嫁し、舛添氏の資質に疑念が持たれることになった。
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