米国のオバマ大統領が5月27日、広島の地に立つ。1945年8月6日に米国が原爆を投下し、人類史上初めての核兵器による悲劇が起きてから70年余り。米国の大統領が初めて広島を訪れることになった。日本の戦後にとっては大きな節目であり、オバマ大統領の持論である「核兵器なき世界」を占う点でも、大きな意義を持つ訪問である。
オバマ氏は2009年1月に大統領に就任。4月にはチェコのプラハで総括的な外交演説を行い、その中でこう語った。
「核兵器のない平和で安全な世界を達成するという将来的なゴールは、すぐには到達できない。忍耐と粘り強さが必要だ。しかし、『世界は変わることができない』という声を受け入れなかった人がたくさんいたからこそ、私たちは今日ここにいる」。そして、共に核なき世界の実現を目指そうと宣言した。
国際社会はこの演説を高く評価し、オバマ氏にはノーベル平和賞が贈られた。米国大統領就任からまもない演説でノーベル平和賞を受けるのは、極めて異例のことだ。オバマ演説に対する国際社会の期待がいかに高かったかを物語っている。
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