数年前、薄熙来書記の失脚で揺れた重慶。一時タブー視された都市に、党要人の視察が相次ぐ。2ケタ成長を続ける経済力は、かつての深センに重なる。
今年1月4日、習近平・中国共産党総書記は重慶市を視察した。中国メディアはこれを「総書記による重慶視察は9年ぶり」と大々的に報じた。
中国には重慶を含め四つの直轄市(省と同格)があるが、人口がいちばん多いのは3000万人を抱える重慶である。農村部が広いため、面積はほかの直轄市である北京、上海、天津の合計よりも大きい。
今回の重慶視察にはいくつかの理由が挙げられる。
建前でいえば、まずはその重要性である。中国経済の減速がはっきりする中、重慶は2ケタの成長率を維持している。省レベルではいちばん高い数値だ。
第二に、重慶は中国西部に位置し、西部の地域開発のモデルとしての意義を持っている。
第三に、長江のほとりに位置する重慶は、最重点の国策である「新シルクロード経済ベルト」と「長江経済ベルト」との結節点である。
第四に、沿岸部と比べて発展が遅れていた内陸部の都市として高成長を実現し、地方経済の発展ストーリーとして手本になるからである。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら