世界を驚かせた日銀によるマイナス金利政策の導入。円安を通じて急激な元安に歯止めをかけられれば、中国経済の軟着陸を助けるかもしれない。
1月29日、日本銀行は新たな金融緩和策として市中銀行の当座預金の一部に0.1%の「マイナス金利」を課すという、異例の政策の導入に踏み切った。日銀の黒田東彦総裁は2月3日の講演で、これまでの量的・質的緩和政策を堅持し、さらに推進していくと表明した。
マイナス金利政策は今後の追加的な金融緩和と組み合わせられることで、長期金利の低下をもたらし、企業の設備投資や雇用計画を下支えする効果を持つ。これによって、米国の利上げや中国経済の減速でかげりが見えていた景気にテコ入れを図る、という政策当局の意図が明確になったことは、日本経済にとってひとまず明るい材料だろう。
追加緩和による円安が緩やかな元安要因に
さて、このような日本の追加的な金融緩和政策は、中国経済にどんな影響を与えるだろうか。ここで重要なのが、昨年12月に中国人民銀行が事実上ドルのみを参照して人民元の基準値を決める手法をやめ、中国外貨取引システム(CFETS)が公表する主要通貨のバスケットを参照して決定する、という為替政策の変更を公表したことである。
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