3社統合白紙 東芝、富士通、VAIO
1 東 芝:
構造改革ほぼ完了 自主再生の道歩み始める
1985年に世界で初めてノートパソコンを世に送り出したのが東芝だ。国内だけでなく、欧州や米国など海外で足場を築き、世界トップを快走。収益柱の1つとして全社を支えていた時代もあった。
だが、それも過去の栄光である。今やパソコン事業は社内のお荷物。額は公表してこなかったが、ここ数年赤字が続いたとみられている。さらに、2015年春の会計不祥事で、遅くとも09年3月期からBuy-Sell(バイセル)と呼ばれる取引を用いて、パソコン事業の利益を水増ししていたことが発覚した。その額は7年間で600億円近くにも上る。決算上の数字をよく見せることで、撤退や縮小という決断を避け不振事業を温存し続けてきたのだ。
法人向け中心に販売強化
東芝は前16年3月期、4600億円もの過去最大の最終赤字に沈んだ。100%子会社の東芝メディカルシステムズを6655億円で売却し3817億円の利益を計上。虎の子を手放し延命を図ったことで、一時2.6%まで落ち込むとみられた株主資本比率は、前期末時点で6.1%とやや持ち直した。それでもなお1ケタの厳しい状態で、吹けば飛ぶような率。こうした逆境で赤字部門に資金を投入している余裕はない。
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