まさに様変わりである。つい昨年後半まで日本の景気は緩やかな回復基調を続け、企業業績も安定。今2016年3月期も増収増益で、前期に引き続き最高益を更新する企業が多くなる──はずだった。16年初めからの株式市場の乱高下を目の当たりにするまでは。
マクロ経済面での前兆は15年からすでにあった。それを市場は“だましだまし”年末までたどり着いていたのが実態だったのだろう。
円高・資源安などで今期の増益幅を縮小
時計の針を15年に戻すと、リーマンショック後の世界経済を牽引してきた中国の成長率鈍化にたどり着く。過剰設備・過剰債務に苦しむ中国の停滞が建機などを直撃した。
ただ、15年度上半期(4~9月期)までは日本企業の増益基調に大きな減速感は出なかった。また、実質GDP(国内総生産)成長率が15年7~9月期に前期のマイナスからプラスに転じたこと(2次速報値)などから、大きな不安にはなっていなかった。
異変が鮮明になったのは年明け以降だ。16年1月の日経平均株価の急激な下落は、原油など資源の価格下落で財政難に陥った産油国が日本株から資金を引き揚げたことが発端で、当初は実体経済にそれほど大きな変化はないはずだった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら