日経平均株価が500円を超える急上昇、急下落を呈するなど株価の変動幅が大きくなっている。1日でこれほど大きく動くのは、2000年代初頭のITバブル崩壊時、08年のリーマンショック直後と同じだ。
ただ、現状は大きく異なる。第一に金融危機とはいえない点が挙げられる。本格的なショックとその回復が期待できなくなる状況として最も危険なのが、破綻リスク回避から金融機関同士が貸し渋る金融危機だ。金融危機が起こると、流動性が急激に収縮しバブルが崩壊するため回復が期待できなくなる。大手金融機関の破綻などがきっかけになる。現在、欧州系金融機関の信用不安を懸念する向きはあるものの、深刻な事態にはならないと考えられる。
第二はグローバルのマネーフローが一方向に流れづらい環境にある点だ。リーマンショックのときは、その前年に米国で発生した、返済能力が低い人向けの住宅ローン(サブプライムローン)の返済遅延が広がり、住宅バブルが崩壊に向かった。ただ、世界的に株価が下落する一方で、商品相場は好調だった。このため株式から商品に資金が流れた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら