うつ病を発症すると、その後の人生は一変する。漫画『ツレがうつになりまして。』シリーズで、うつ病になった夫との生活を7年間にわたって描いた細川貂々さん(以下てんてん)と夫の望月昭さん(以下ツレ)が今、思うこととは。

ほそかわ・てんてん●1969年生まれ。漫画家・イラストレーター。著書にうつ病になった夫(左)との生活をユーモラスに描いた漫画『ツレがうつになりまして。』等がある。
もちづき・あきら●1964年生まれ。外資系IT企業での会社員時代にうつ病に。退職し約3年間の治療を経て回復。現在は夫婦の個人事務所社長を務めながら、家事、育児を担当。
──うつ病と診断されたのは2004年1月のことでしたね。
ツレ 病気が回復してからずいぶん経ち、当時のことをかなり客観的に考えられるようになりました。
てんてん 今では、いつになったら外に出て稼ぐようになるのかな、と思うくらいです(笑)。
──うつ病を発症するまでは、どのような働きぶりでしたか?
ツレ 1998年から04年に退職するまで、外資系IT企業に勤めていました。「2000年問題」に対応するため業界全体が人手を必要としていて、入社当初はまさに活況。コンピュータが世の中を変えていくのを目の当たりにして、自分は最先端を担う人材の一人なのだという気持ちで働いていました。
ただ、IT不況後の02年ごろからリストラが始まり、1年後には人員が6分の1に減っていました。一方で自分は「首を切られずに残った!仕事ぶりが認められたのだ」と喜んでいましたね。
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