「うつになったことを、絶対に知られてはならない」 ハローワークの非常勤相談員だったミサさん(40代、仮名)は、上司からのパワーハラスメントが原因でうつ病を発症したとき、真っ先にこう思った。雇い止めを恐れたのだ。しかしあるとき、別の上司にパワハラの実態を訴えた際、メンタルクリニックに通院していることをうっかり話してしまった。その後、翌年度の契約更新はなかった。
「『体調でも悪いの? 悪いのは体だけ?』と誘導尋問のように聞かれ、つい口が滑ってしまったんです」。そう悔やむミサさんはシングルマザー。子どもは当時、大学進学を控えていた。「失業するわけにはいきませんでした。だから、どんなにつらくても遅刻・早退は一度もしなかったのに」。
非常勤とはいえ勤務は約10年に及び、昇給も順調だった。正規職員を対象にした接遇研修の講師を任されるなど、一定の評価も得てきた。「うつだから雇い止めされたとしか考えられません。病気はパワハラのせいなのに」。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら