ストレスはネガティブ思考やモチベーションの減退、さらにうつ病やパニック障害といった精神疾患の原因となる。そうした状態を防ぐため、「物事のとらえ方」=「認知」を見直すことで前向きな思考を取り戻す「認知療法」を提唱するのが、同分野の第一人者である認知行動療法研修開発センター理事長の大野裕氏だ。
認知療法とはどのような手法なのか、ストレス対策にどう効果的なのか。大野氏に5ステップでの処方箋を披露してもらった。
Step(1) ストレスチェックで心の変調に気づく
メンタル不調に有効なのは、薬を使用する薬物療法、ストレスが軽くなるように環境を見直す環境調整法、専門家によるカウンセリングなどの精神療法である。これら三つの治療法は組み合わせて利用されるが、その中で認知療法は精神療法の一つに挙げられる。
認知療法でいう「認知」とは、人が直面する出来事を受け止め、判断する心の情報処理プロセスのこと。その際、瞬間的に浮かぶ考えは「自動思考」と呼ばれる。
多くの人は、ストレスを感じると物事をネガティブに受け止めてしまいがち。自分を守るためには必要なことだが、それが極端になると直面する問題に適切に対処できなくなってしまう。そこで認知療法では、現実に目を向けながらしなやかに考える力を取り戻し、ネガティブな感情を和らげる。
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