マイナンバー対策が一段落する中、人事・総務部門はストレスチェック対策にシフトし始めている。ビジネスパーソンにとっても遠くない未来に受検の機会が訪れそうだが、これを生かせるかどうかは運用次第だ。個人と会社が制度をうまく動かすための基礎知識を、Q&A方式で紹介する。
Q. うつ社員のふるいわけをするのですか(社員)
そう誤解している向きは多いが、制度の趣旨は違う。ストレスチェックは、メンタルヘルス問題の発生を未然に防ぐ1次予防策として導入された。57項目の調査でストレス負荷を見える化し、個々の社員が自ら環境と心身の状況を認識する、という使い方がされる。
そもそも、ストレスチェックはうつなどメンタル不調を洗い出す機能を備えていない。日本精神神経学会は、職業性ストレス簡易調査票(→関連記事へ)の項目と、精神疾患との直接関係を示すエビデンスは少ない、と指摘している。相当の高ストレスなのにまったくメンタルを病まない人もいれば、逆にストレスはそれほど高くないのに不調になる人もいる。ストレス→メンタル不調と直線で結べるほど、両者は相関していないのだ。
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