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難民 難民受け入れは「恩返し」 多様性はドイツを豊かに

ハンス・カール・フォン・ヴェアテルン 駐日ドイツ連邦共和国大使

Hans Carl von Werthern●1953年ドイツ・ビューデスハイム生まれ。1984年ドイツ外務省入省。2004年「日本におけるドイツ年2005/06」外務省準備室長、05年外務省東アジア課長、07年在中国大使館公使を経て、14年3月より駐日大使。(撮影:梅谷秀司)

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ドイツ政府は今回、難民を積極的に受け入れることを表明した。ドイツは第2次世界大戦後、ナチスの恐ろしい犯罪にもかかわらず、国際社会に受け入れてもらった。25年前の東西ドイツ統一でも隣国から温かい支持を受けた。メルケル政権や多くのドイツ人が考えているのは、「今、恩返しのときが来た」ということだ。

ドイツ人は自分自身でも驚いている。映像をご覧になったと思うが、駅に到着した難民に大きな拍手をし、花束を渡して駅は歓迎ムードにあふれていた。おそらくドイツでは今まで例のないことだ。ドイツ人の多くが今、自分の国に誇りを持っている。私もその一人だ。

強調しておきたいのだが、難民に花束を渡す市民やメルケル首相の念頭にあるのは、損得勘定ではなく、手助けをしたいという気持ちだ。ドイツは経済的にも豊かな立場にある。われわれは難民を支援するべきであるだけでなく、支援が可能であり、支援の責任も感じている。

ただ、ドイツが難民をどこまで受け入れることが可能なのか、どのレベルなら十分なのか。その議論は激しくなっている。難民が数多く入ってくると、ドイツは自分のアイデンティティを失うのではないか、どの地域で受け入れたらよいのか。そういう不安はやはり無視できない。

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