トヨタ自動車が12月に発売する新型「プリウス」。最大のアピールポイントはガソリン1リットル当たり40キロメートルという驚異的な燃費性能(カタログ燃費)だ。
トヨタの小型ハイブリッド車(HV)「アクア」とスズキの軽自動車「アルト」が持っていた37キロメートルを抜き、国内最高燃費(電気自動車〈EV〉とプラグインHVを除く)となる。
もっとも、一般のドライバーが普通に運転すれば、ほとんどの車が宣伝文句にあるカタログ燃費ほど走らないのが現実だ。人気のHVや軽自動車の実燃費はカタログ燃費の60%台しかない(図表1)。
拡大する
どのような運転をするかで実燃費は大きく異なる。道路状況や天候・気温、エアコンの使用状況にも左右される。万人に共通の実燃費は存在しない。
燃費試験は、一定の条件、モード(走行距離、時間、平均車速、最高速度、加速度などのパターン)の下で走行することで、異なる車種の比較を可能にする。
だが、現実とあまりに乖離してしまえば指標として意味をなさない。2011年には現実との差を少しでも小さくするため、従来の「10.15モード」から「JC08モード」に切り替えた。それでも実燃費とカタログ燃費の差は大きい。
「クラス最低燃費」は虚構
差が出る原因は、試験が現実を反映していないため。たとえば、燃費試験ではエアコンやカーナビなどの電装品を使用しない。電装品による燃料消費は意外に大きく、エアコンやカーナビを使って走る実際の乗り方との差が大きくなってしまう。
現実と試験のギャップはディーゼル車の窒素酸化物(NOx)と同じ構図である。それもそのはず、燃費と排ガスは同じ試験で計測するのだ。ちなみに燃費は使用した燃料で測るのではなく、排出ガス中の炭素量から計算して導き出す。
この記事は有料会員限定です
残り 680文字
