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ドイツ礼賛論の陥穽 「欧州最強国」とどう向き合うか

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ユーロ危機や難民問題に関し、理想主義追求のあまりドイツは自縄自縛に陥っている。

今年3月に来日したメルケル首相。講演でドイツの「過去の償い」について言及した(撮影:三好範英)

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いま、ドイツが注目されている。

メルケル独首相は最近、オバマ米大統領、プーチン・ロシア大統領に次いで、あるいはひょっとすると同じくらいの頻度で、日本のメディアに登場しているのではないだろうか。

欧州をめぐるニュースが増えた。それはとりもなおさず欧州の変調を物語っているが、ユーロ危機、ウクライナ紛争、難民大量流入と矢継ぎ早に発生する問題に関し、欧州の意思決定が問われるとき焦点となるのは、メルケルの意思である。

ドイツの存在感の高まりの背景には、まず経済面での「独り勝ち」がある。ドイツは1990年の統一で旧東ドイツ地域を抱えたため経済不振に苦しみ、一時は「欧州の病人」と呼ばれた。いわば背水の陣から断行されたのが、シュレーダー前政権による構造改革だ。加えて99年のユーロ導入が輸出主導経済のドイツにとって大いに有利に働いた。競争力の弱い国を抱えるユーロ圏は、ドイツ企業にとって永遠の通貨安を享受できる通貨システムである。ドイツが欧州連合(EU)に占める割合は国土面積で8%、人口で17%だが、国内総生産(GDP)は5分の1、輸出額は4分の1である。ドイツは欧州で一頭地を抜く経済大国となった。

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