
10月2日、東京・銀座で行われた安全保障関連法反対や脱原発を訴えるデモ行進(時事)
先日、大学の近くのウナギ屋で遅い昼食を取っていたら、私の大学にかかわりのあるとされるセクトが「安倍を倒せ」と大音量で叫びながらデモ行進をしてきた。ほかに客がいなかったせいもあって、おかみさんが「迷惑ですねえ、あれは共産党ですか」と話しかけてきた。
おかみさんに共産党と新左翼の違いを説明するのは無理だろうと思いつつ、共産党の名誉のために「あれは学生の過激な団体で」とあいまいに答えながらウナギを食べた。自民党の支持率が下がらないのは当然とも思った。英国の保守党は「当然の与党(natural party of government)」とも呼ばれる。この言葉は、日本の自民党のほうによりよく当てはまる。
一強多弱の政治状況はむしろ当たり前と思うところから、野党の課題は見えるのかもしれない。戦後の政党政治史を振り返れば、戦前の政友、民政の2大政党の流れをくむ保守政党が合併して自民党ができた。冷戦という圧力釜の中で反共という核に保守勢力が結集した。自民党にとっての最初の危機は、経済成長に伴う急速な人口移動と都市化であった。
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