保険のセールストーク・CM・パンフレットなど、販売促進のために行われる情報提供には、「不安材料の提示→解決策(商品)の案内」というパターンがある。心理的に落ち着かない状態になってもらったところで、商品を売り込むわけだ。
常識で考えて、「素人が落ち着かない心理状態で長期・高額契約について検討する」ことが望ましいわけがない。
そこで、冷静に販売促進情報を受け止める方法を考えてみた。キーワードは1.ストーリー性、2.不確実性、3.緊急性。これら3点を意識することで、大半の情報に惑わされなくなる。
お笑い芸人が「まさか、自分ががんにかかるとは思わなかった」と、がんにかかった体験を語るCMを例にしよう。インパクトが強い一本だ。しかし、ストーリー性には無理があると感じる。心を揺さぶる実話があることと、提示される商品がすばらしいものであるかどうかは別問題だからだ。
「がんにかかる確率」と「保険料」を比べてみるとわかる。CMの男性は40代でがんにかかっているから、40歳時の加入で試算する。40歳男性が50歳までにがんにかかる確率は2%だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら